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ソシャティ|社会活動の検索&ブログサービス

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  • #2300
  • 2022.04.14

多様性を力に変え、クラブチームと街を盛り上げる 〜 一般社団法人まちはチームだ 事務局長 中川 康文さん 〜 | リアル×ミライプログラム

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福岡県北九州市でひきこもりの支援に取り組む「NPO法人すてっぷ北九州ひきこもり支援センター」とサッカークラブチーム「ギラヴァンツ北九州」との協働企画「GOP(ギラヴァンツ・オープンマインド・プログラム)」を考案し、そのファシリテーターを務める中川さん。想いは「多様性を力に変える!」。詳しくお話をうかがいました。(インタビュアー ウィライ 浅田)
※本インタビューはリアル×ミライプログラムの1stステップ「インタビュー」です。今後中川さんと共に明るいミライヘの戦略をデザインしていきます。

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<STEP 1:インタビュー>

心と体を温めて感情を解放する「GOP」

ギラヴァンツ・オープンマインド・プログラム(以下、GOP)は、20歳以上のひきこもりの方を対象として、サッカーとの触れ合いを通じてコミュニケーションと社会復帰の機会を提供するプログラム。その効果はひきこもり当事者に留まらず、サッカークラブ「ギラヴァンツ北九州」のファン層拡大、そして多様性を分かち合う街の魅力向上にもつながる、まさに“三方よし”のプログラム。GOPは「みる」「する」「支える」の3部で構成されます。

「みる」: 実際にサッカーを観戦しながら感情を自由に表現することを経験します。中川さんが参加者の前でお手本となり、試合の状況に合わせて拍手や檄を飛ばすなど、感情の一喜一憂を目に見える形で表現します。

「する」: Jリーグのコーチによる指導のもと、積極的に体を動かします。手を繋ぎながらサッカーすることもあり、そこでは自然なコミュニケーションが生まれます。様々な運動の中でできないことがあっても、誤魔化さずに前向きにとらえられるよう促します。

「支える」: ギラヴァンツの試合でゴミ収集などを手伝ってもらい、最後には社長から直々にお礼のメッセージを伝えてもらいます。これらの活動を通して、社会に貢献し、承認されることを体験する機会を提供します。

2018年からの活動でのべ1,000人が参加し、参加者の中にはギラヴァンツの年間パスポートの購入や、中川さんが運営しているフードフェスティバルのボランティアに自ら参加するなど、クラブチームに、そして街に成果が還元され始めています。

GOPの詳細はこちら。

  • 「ギラヴァンツ北九州が、ひきこもり支援に取り組む理由。地域の媒体になるために」AZrena

  • https://azrena.com/post/17533/

  •  
  • 「ギラヴァンツ北九州の社会貢献活動に見る共的セクターの役割と課題」二宮 清純(スポーツジャーナリスト)  釜 崎  太(明治大学)共著

  • https://www.jstage.jst.go.jp/article/arspes/advpub/0/advpub_22-03-001/_pdf/-char/ja

多様な個人・企業が共生する循環型社会の実現へ

「心の問題を気軽に話すことができれば、個人の能力が発揮できるのではないか、そのためには多様性を理解し、多様性を前提としてコミュニケーションできる個人の能力と場が必要。」と中川さんは考えます。

単純なスポーツクラブの社会貢献活動ではなく、社会にとって共通の価値を創造する活動として、多様性を力に変える社会の実現を目指すGOPのメンバーたち。

「個人の、そしてローカル企業の多様性を活かすことで、各自が自立し、創出価値が循環する地域共生型コミュニティ経済モデルを全国に発信していきたい。」と意気込まれています。

<STEP 2:戦略デザイン>

中川さんが関わる“一般社団法人まちはチームだ”は、その名の通りまちに関わる多様なスキルを持つ多くの仲間と共に様々なプロジェクトに取り組んでいます。

多くの創発的プロジェクトを生んできた“まちはチームだ”ですが、成長を続ける中でプロジェクトの複雑性が増してきました。関係者が増えていく中で部分最適になりがちなケースが発生していました。

多様な仲間が集まるがゆえに、仲間同士で経験値が異なり、理解の壁を超える難しさを実感するようになりました。

厳しさをもって信頼のスタンスを明確にし、創造的に巻き込む

このような状況を打開するためにまず取り組むことは、本音で対話ができる関係を築くことです。弱さを共有し合うことで補完し合う。本質的な問題から目を背けずに言うべきことは言う。そのような対話の積み重ねが共感を育み、信頼関係の構築につながります。

さらに深い対話を通して互いに共感できる意図をデザインしていく。感動体験実現のために不足している経験があれば、実践者が持つ経験の実践知で補う。そのようなアプローチで感動体験もたらす場をデザインし、そこに参加する人は体験を通じて叡智、教養、楽しさなどを学び、その人自身が行動を変容させていく。その変容を支援することに加え、変容した人々をさらに仲間として巻き込むことで、新たな人材とスキルがコミュニティに参加していく。それが人的ネットワークの拡大であり、これはいわばソーシャルキャピタル(社会資本)を原資とした社会機能の形成モデル(Social Capital Bank)と言えるのです。

実践知を蓄積してさらなる展開へ

このような循環モデルを、GOPをひとつのプロトタイプとして、今後実施していくプロジェクトで実践知として蓄積していきます。そして蓄積した実践知を体系的に整理し、方法論として展開していくことで社会の変容につなげていきます。

多様な仲間が集まるからこそ、仲間達の個々の力をチームの力に変えるためには丁寧な対話が欠かせません。感動体験の提供だけで終えるのではなく、体験を通じて変容した人々を巻き込み、仲間に加え、チームの輪を広げていく。その循環がソーシャルキャピタルを拡大させ、結果、まちが変わっていくことになるのです。

キーワード

#リアルxミライ #多様性 #ひきこもり #スポーツ #サッカー

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