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ソシャティ|社会活動の検索&ブログサービス

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  • #1273
  • 2021.04.10

障がいを持っていても社会へ一歩踏み出せるように、その通過点でありたい 〜株式会社MODESTLY (就労継続支援B型事業所 asoBe運営)三浦誉夫 代表 へのインタビュー〜

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株式会社の立場から障がい者の就労支援に取り組む若き三浦代表の、株式会社設立の意図、障がい者の自立に向けた取り組み、農福連携の効果について語っていただきました。

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    この記事のポイント

  • 株式会社の立場から就労継続支援B型事業所を運営
  • 社会に開け、状況に応じた柔軟で迅速な経営が実行できる株式会社のメリットを活かし、事業所利用者に適切な工賃を支払えることを目指す
  • 障がいに理解のあったワイン製造会社の代表の方との農福連携を実現
  • 代表の方から多少の失敗を許容する配慮をいただけたことで、利用者が萎縮することなく作業できるようになった
  • さらに利用者の生活リズムが生まれ、性格が明るくなり、事業所の利用頻度も増加した
  • 利用者と共に作る昼食は、順番待ちが出るほどの人気イベントに
  • 利用者にとって居心地の良い場所を創り、地域との交流の機会を創ることで、社会に一歩踏み出せるよう支援する

社会への扉を開き、自立を支援する

― 就労継続支援B型事業所asoBeの設立経緯を教えてください

就労継続支援B型事業所asoBe(https://asobe202007.com/)は2020年7月に設立しました。現在13名の方にご利用いただいています。設立以前、学校卒業後の約10年間は福祉関係の仕事をしていました。精神科の病院で介護補助や地域の障がい者施設で勤務していました。その間、福祉業界はまだまだ一般企業等と比べるとアナログで、支援も個々の価値観や判断に委ねる場面が多く存在するということを、経験の中で感じる点が多くありました。それらは支援に決してよいものをもたらすとは考えづらいというのが個人的な意見です。また、同業者同士繋がりやすく、世間との繋がりも新規開拓というよりは今までのお付き合いのものの延長線上というものが多くあります。これからの時代は以前の時代とは少なからず変化しており、その変化に対応しどこにニーズがあるのかということを見出す努力や行いをしていかないと時代にあった支援というものが今後さらに難しくなると考えます。もっと地域社会に開けていて、障がい者自身が自分らしくあり、かつ社会に貢献できていることを実感できるようにしたいと、この事業所を設立しました。

- 株式会社として事業所を運営している理由は何ですか?

メンバーさん(事業所利用者)自身が自立した生活が送れるよう支援することを第一に考えたからです。そのためにはしっかりと利益を上げられる事業を営み、メンバーさんに適正な工賃をお支払いする、それによりメンバーさんの生活の基盤ができて、社会への接点が増えるようになり、それが自立につながります。それを実現するには社会に開けている必要があり、時には状況に応じて経営のやり方を柔軟に、迅速に変えていく必要がある、そう考えると株式会社の形態を採っている方が最も都合良いと考えました。

- 事業所の運営でこだわっていることはありますか?

メンバーさんと同じ目線で接することを心がけています。例えば作業時に指示が必要な時は、教えるのではなく、伝えるという姿勢で臨んでいます。またお昼にメンバーさんと料理を作ることがあります。出来上がった料理に対して「美味しいね」「調味料は何?」と何気無く声がけをすることで自然と会話が生まれます。今では料理の担当の順番待ちが発生するほどの人気です(笑)。そのように接することで、事業所が居心地の良い場所になり、自然と足が外に向くようになります。この関係を継続することで少しずつ社会への接点が増え、自分はこうありたいという思いが芽生え、自立へと向かう、この事業所はその通過点であってほしいと願っています。でも無理はしすぎず、遊び心とゆとりを持って。そんな想いが事業所名の「asoBe」に込められています。

作業を通して生活リズムが生まれ、生活が改善

- 現在はどのような事業に取り組んでいるのですか?

一つは布製品へのシルクスクリーンです。オーダーに合わせたオリジナルのプリントに対応しています。もう一つは農福連携事業として、合同会社Le Milieu様(https://le-milieu.co.jp/)にご協力いただき、ワイン造りの農園作業と製造補助に携わらさせていただいています。

- シルクスクリーン作業で工夫していることはありますか?

工程を細分化した上で、メンバーさんの個性に合わせた作業をお願いするようにしています。担当する作業を極めたのち、本人が希望する場合は他の工程をお願いします。流れ作業なので手が空いた時は他の作業を手伝ってもらう、そのようにして全員で作業に取り掛かるようにしています。

- Le Milieu様との農福連携事業はどのようにして実現させたのですか?

Le Milieu様とは元々知人の関係で、会社設立前から起業の相談をしていました。LeMilie様ご自身も障がい者に理解があり、作業を一緒にやってみる?というご提案をいただいて実現しました。

LeMilie様はとても気さくな方で、メンバーさんが作業しやすいよう、配慮してくださるのがとても助かりました。例えば「作業に失敗しても大した損害にはならないよ」「思いっきりが大事」と時には茶化し、温かいお声がけをいただいたことで、メンバーさんが萎縮することなく作業に集中することができるようになりました。

思わぬ効果もありました。太陽の下で作業することで1日のリズムを自然と感じ、ブドウの変化に触れることで季節の移り変わりを感じ、メンバーさんの体内の生活リズムが安定するようになり、表情が明るくなって会話の頻度も増えるようになりました。一例ではありますが、事業所の利用頻度が増えた方や、土日の休日など外出することがめっきり減っていた利用者様が生活圏を超えた外出をするようになったことは大変驚きました。

このように事業所の居心地が良くなり、生活リズムが整ったことで、メンバーさんが頻繁に通ってくれるようになりました。予定には無い日であっても「暇なんで行っていいですか?」と問い合わせてくれるメンバーさんもおられるようになったことは嬉しいことです。

地域と交流を図り、引きこもりを未然に防ぐ取り組みへ

- 今後の課題は何ですか?

事業所周辺の一般の方々に事業所を知ってもらい、メンバーさんとの交流を育む憩いの場にしていきたいです。4月4日にシルクスクリーンのワークショップを開催しました。このようなイベントを今後も開催していきます。

もう一つは、普通校に通いつつも社会にうまく適合できない未成年の方々を支援していきたいと思っています。障がいの診断名がつかなくとも、苦しんでいる方々の中で障がいの可能性があることを学校の先生方から相談を受けます。養護学校の場合は福祉制度の中で支援することができますが、普通校の場合はそうはいきません。学校側もうまく支援することができません。卒業してしまえばなおのことです。在校時からつながりを持てれば、将来引きこもってしまう前に社会へ一歩踏み出す支援ができるではないでしょうか。私自身が大人に育てられた経験からも、このような未成年の方々の支援に取り組んでいきたいと思っています。

福祉業界に新風を巻き起こす三浦代表。純粋な「これは違うんじゃないか」「こうあるべきではないのか」という内なる声に従い、障がい者自立の伴奏型支援に邁進されています。就労継続支援事業所asoBeの雰囲気はとても温かく、メンバーの方々が和気あいあいと過ごされていた様子が、その成果を如実に表しているのだと感じました。インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。 (2021.4.5(株)ウィライ 浅田 崇裕@長野県松本市)

キーワード

#就労継続支援 #B型 #株式会社 #Modestly #asoBe #農福連携 #LeMilieu

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