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ソシャティ|社会活動の検索&ブログサービス

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  • #1241
  • 2021.03.23

「楽しさ」の中に「正しさ」を、新感覚ゴミ拾いイベント「清走中〜Run for trash 〜」で環境問題の壁に挑む 〜 学生団体Gomitomo代表 北村優斗さんへのインタビュー 〜

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フジテレビのバラエティ番組「逃走中」にゴミ拾いを組み合わせた新感覚ゴミ拾いイベント「清走中〜Run for trash 〜」を主催するGomitomo代表の北村 優斗さん(長野高校 3年)へのインタビュー。こだわったのは「楽しさ」の中に「正しさ」を、と語る北村さん。ご自身の特性やルーツを交え、清走中に込める思いを真っすぐに語っていただきました。

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    この記事のポイント

  • 環境問題を声高に訴え、「だからゴミを拾いましょう!」と迫る方法は、子どもに向けて「勉強しなさい!」と迫るのと同じ
  • 楽しいことをきっかけにすることで、その先の難しい環境問題について向き合えるようになる
  • ゴミの問題は身近な環境問題、まずはそこから
  • 何より自分自身がワクワクすることを実行し、それを楽しむことにこだわる

「清走中〜Run for trash 〜」とは

長野県に住む高校生や大学生が学校の枠を超えて、まちの課題を学生自らが発見・解決に向けて活動するユースリーチ(https://youthreach-n.com/)の環境保全分野である学生団体Gomitomoが企画。市街地を舞台に、子どもから大人までの幅広い世代で構成されるチームに分かれてゴミ拾い。

ゴミ拾い中にLINEで送られる様々なミッションをクリアしながらゴミの重さ、クリアしたミッションのポイントなどの総合点で順位を競います。ハンターや武器屋との遭遇でポイントが大きく変動するのも醍醐味の一つ。

ゴミ拾いの後は広場でハンターと鬼ごっこ。子どもも大人も思いっきり駆け回ります。 世代を超えて一緒に楽しめるよう綿密に工夫された新感覚イベントです。3月中は長野県内で実施され、長野市、上田市、松本市、諏訪市、飯田市で開催予定となっています。(尚、本企画はフジテレビ「逃走中」の制作チームより許可をいただいて実施されています)

詳しくは代表 北村 優斗さんのnoteをご覧ください。 https://note.com/hk_yuto_0208/n/nbd23038cbac6

「楽しさ」の中に「正しさ」を、身近な問題から向き合う

― ゴミ拾いにゲームを組み合わせようと考えたのは?

僕は小さい頃からゲームが大好きで、特にゲームの実況を見るのが好きです。そんなゲームとゴミ拾いを組み合わせられれば、多くの人がワクワクしながらゴミを拾うことで、楽しいことをきっかけにしてその先の環境問題について考える、つまり「楽しさ」の中に「正しさ」を盛り込むことで難しい環境問題へ向き合える人を増やすことができないか、と考えたからです。

一方のアプローチとして環境問題を声高に訴え、「だからゴミを拾いましょう!」と迫る方法がありますが、それは子どもに向けて「勉強しなさい!」と迫るのと同じだと思うのです。誰でもそんな言い方をされたらやる気にはなりませんよね。「北風と太陽」の童話もそうですよね。僕自身が両親に褒めてもらいながら育った経験も影響しています。両親、特に母親はどんなに些細なことでも褒めてくれました。そのように接してくれたおかげで、難しい問題に対しても積極的になれたように思います。

だから環境問題を含めた社会問題も、どこかに楽しさを見出すことができれば、解決に向けて前進させられるのではないでしょうか。そのヒントとしても清走中は有効な手段の一つではないかと感じています。

― 環境問題に関心を持ったきっかけは?

当初はどちらかというと国際的な社会問題に関心がありました。中学2年生の時に知ったシリアの内戦を見ていて、この内戦で子どもを含めて多くの方が犠牲になり、日本人も虐殺されていることを知りました。「住む場所でどうしてこんなに違うのだろう」衝撃を受け、「自分が生まれ変わった時に、どこでも自分の人生を生きられる世界にしたい」と強く思いました。高校2年生の時、小学生の時によく訪れていた江ノ島がゴミで溢れている惨状を知ったことをきっかけにゴミの問題に関心を持ち、そこから様々な環境活動をはじめました。その後訪れた新潟の海岸でゴミ拾いの楽しさを知ることになります。ゴミの問題、特にポイ捨てはとても身近な問題です。遠くの社会問題を考えるよりも、まずは身近にある問題をどうにしかしたい、そう考えるようになりました。

― 若い世代の方は社会問題に関心が高いと思いますか?

学校ではあまり社会問題について語ることはあまり無いですね。ただ一歩校外に出て、他の高校の方や大学生の方とお話をすると、社会問題への関心は高いのではないでしょうか。特に教育や貧困などの不平等の問題はそうですね。しかしその問題に対するアプローチはどうも月並みなものが目につく。だから僕はユニークさ、ワクワクするものにこだわって活動してきました。

― ワクワクにこだわるのはどうしてですか?

既成概念に囚われず、誰もやっていないことをやることが自分自身の行動の基本原則であり、それこそがワクワクの源です。それは僕にとって「遊び」でもあるんです。ちなみに校外での活動にも積極的に関わっていますが、それもこのワクワクを求めるからです。多少の無理はありますが、視座も高まり、何より自分自身を成長させることができる、他の人がやっていないということで評価もされます。そこにも楽しさがあるのです。普通なら羽を伸ばす高校三年生の最後の春休みにあえて清走中をタイトなスケジュールで実施し、自分自身を追い込んでいることもその成長のためです。つまりワクワクを求めることで起こるポジティブな連鎖が次のアクションへ駆り立てるのだと思います。

― 最後に、大学に進学したのちには何をしたいと考えていますか?

やりたいことは3つあります。1点目は、大学と同時に所属する株式会社Gab(https://www.gab.tokyo/)の一員として、来年1年間で清走中をもっとブラッシュアップします。入学する大学のある大分でも実施できるようにして、総動員数1,000名を目指します。2点目はお金について研究します。今所属している組織でお金に関わる仕事が増えてきている中で、これまでお金について考えたことがなかったので、親元を離れるこの機会に腰を据えて研究します。 3点目は、アンバサダーとして招いていただいた通信制フリースクール「みんなの学校」の経営を支援します。この学校は友人のお母様が設立した学校ですが、まさに現代の松下村塾の様相で、個性的な生徒がたくさんいます。しかし通信制やフリースクールということを負い目に感じ、自ら自信を無くしてしまっている生徒が少なくありません。自分自身が尖っていたこともあり、この状況を放っておくわけにはいかないと切実に感じています。まずはこの学校のことを十分に認知されていないことから、SNSマーケティングをフルに活用してもっと多くの方に知ってもらい、一方で生徒達も支援するなど、多方面から経営を支えていきます。

紺碧の春の陽気に包まれた文化香る松本市で語っていただきました。まっすぐ前を向き、論理的にとめどなく、一言一言しっかりと語る様子に、社会をより良くしたいという揺るぎない強い意志を感じました。大学では今よりもっとご活躍されることでしょう。心から応援しています。インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。 (2021.3.19 (株)ウィライ 浅田 崇裕@長野県松本市)

キーワード

#清走中 #北村優斗 #Gomitomo #ゴミ問題 #環境問題 #学生団体 #Gab

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